ノルマは自分でつくる(働き方進化論)

ノルマは自分でつくる(働き方進化論)

一人ひとりの働く意欲を支えてきたものが揺らいでいる。個人を目標にまい進させたノルマは見直しの動きが広がる。同じ会社で長く働くほど上がる賃金カーブもあやしい。それでも高い意欲を持って働くにはどうすればよいか。新たな働き方に挑む人々を追う。
NTTコミュニケーションズの片山達彦(32)は新事業の創出を担う部署で働いている。2017年に発足し、メンバーは約20人。NTTの通信インフラで、IT(情報技術)サービスの企業ばかり高収益を得る構図からどう脱却するか。そんな課題に向き合う。
片山の部署はアイデアや意欲を引き出す試みとして5月、「OKR」と呼ぶ個人目標の立て方を取り入れた。チームの目標に向かって、自ら考える。片山は従来のノルマと違い「自分で立てる分、やる気が増す」と話す。米シリコンバレー企業も採用する手法だ。
片山のチームは新事業のアイデアを募る9月の社内コンテストで、参加を去年より3割多い127組にする高い目標を定めた。そのなかで片山は、新しい取り組みをやろうと決めた。外部講師によるプレゼンセミナーを開き、対話アプリでこまめに相談に応じた。
新たな働き方のもと一体感も生まれたという。メンバー同士が毎週、個人目標の進み具合を報告しあい、上司からは隔週の面談で助言をもらったからだ。「会社やチームが何をしたいのかが見え、自分の仕事の意義もわかった」。片山たちは目標をほぼ達成した。
人工知能(AI)など技術の進歩でビジネスの環境が目まぐるしく変わる。変化に負けず、前進する個の力をどう引き出すかが日本企業の大きな課題だ。
ただ経済の低成長が続いている上、消費者のニーズが多様になり何が売れるかわかりにくくなった。現実離れしたノルマはやる気を失わせる。弊害をもたらしたのが日本郵政グループの例だ。営業成績をかさ上げするため不要な契約を結ばせるなど、不適切なやり方で生命保険を販売した。
みずほ銀行は4月、本部が収益や顧客数の目標をつくり、支店に割り振ることをやめた。支店が目標を考え、本部と話し合い、積み上げて銀行全体の目標にする。玉川学園前支店(東京都町田市)渉外課の渡辺真之介(28)は「何が顧客のためになるのか、考え直す契機になった」と話す。
仕事の課題をとらえ直し、必要なスキルを考える。システム開発会社エミシス(福岡市)の社長、藤木寛人(44)はそれも「自ら考え、学んでもらっている」と語る。社員約40人の2~3割が、1日8時間働くうち午前9時から2時間を新技術の習得にあてている。
社員が自然と明るい見通しを持てる時代ではない。会社に目標があるのは当然だが、ノルマの単純な強化が答えとは限らない。
九州大学准教授で組織心理学が専門の池田浩(42)は「個人が会社の目標に納得して参加することが欠かせない」と指摘する。やる気やモラルの向上を目指す職場では、何をどれだけやるか、決める主体が個人に移りつつある。(敬称略)

宜しければ応援をお願い致します。

ランキングはこちらから♪

にほんブログ村 サラリーマン日記ブログ 40代サラリーマンへ

ホームページトップへ

お役に立てましたら、応援お願い致します!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。