台風や計画運休で相次ぐ興行中止 保険需要が拡大

台風や計画運休で相次ぐ興行中止 保険需要が拡大

地震だけでなく、度重なる台風上陸による大雨や突風などが興行イベントへの大きなリスクとして意識され始めた。台風19号では鉄道の大規模な計画運休などで、早々に中止が決定した事例も多かった。興行中止保険などで備える興行主も増えているが、天候リスクがコンサートやスポーツ競技など「コト消費」人気で伸びる市場への冷や水となりつつある。
チケット販売会社ぴあの集計では、台風19号の影響で約600件のイベントが中止や延期に追い込まれた。日本への台風の上陸がピークを迎える6月から10月15日の期間中に、払い戻しに応じた興行イベント数は今年は約980件と、前年同期比14%増となった。
同社の小林大祐カスタマーセンター長は「昨年も台風で中止となったイベントの対応を例年にないほど行ったが、今年はそれ以上だった」と話す。中止・延期になった興行イベントをホームページで告知したほか、購入者にはメールで払い戻しの案内を連絡した。
国内のライブ市場は上昇傾向にある。ぴあ総研によると、18年のライブ・エンタテインメント市場は前年比13.8%増の5862億円だった。1公演あたりの来場者数が増え、2年連続で前年実績を上回った。
今年はラグビーW杯などもあった。訪日外国人客の増加にも「コト消費」が課題となっており、体験型のイベントに並び、スポーツ観戦や音楽フェス、コンサートなどへの期待が高まっている。
イベントは夏から秋に多く、日本では梅雨や台風の時期に重なる。「生もの」だからこそ、興行が中止となった場合の主催者の負担は大きい。
例えば日産スタジアム(横浜市)で7万人規模の来場者を見込むコンサートの場合、アーティストへの支払いや警備、会場の賃貸料などで経費は数億円にのぼるという。
こうしたリスクに備えるのが興行中止保険だ。保険料は一般に経費の3%前後とされ、自然災害などでイベントが中止になると、主催者の経費の9割を補填するものが多い。相次ぐ台風上陸で保険に加入する興行主が増えている。
三井住友海上火災保険ではイベントが集中する6~8月に、保険契約数が前年同期より12%増え、保険料収入は58%増だった。東京海上日動火災保険では4~9月の契約件数が前年同期比3割増、あいおいニッセイ同和損保と損害保険ジャパン日本興亜も同じ期間中で契約件数と保険料ともに前年実績を上回った。
国内の興行中止保険の市場規模は100億円前後とされ、今後さらに拡大する可能性がある。
興行イベント専門の保険を販売するアソウ・インシュアランス・デザイン(東京・渋谷)は毎年2000件のイベント向けに保険を扱う。今年度の足元の保険料収入は2年前に比べ5割増で推移しているという。
アソウは発生した雷雨がイベント会場に到達する確率や強さ、到着日時などを予測するツールを保険と合わせて提供。主催者は会場で雷雨のデータをリアルタイムで確認でき、イベントの中止などを判断できる。
台風の対応で増えた鉄道各社の計画運休が保険需要を押し上げている。運休計画は事前に発表されるため、当日を待たずにイベントの中止や延期が増えた。
興行中止保険は地震による中止もカバーする。11年の東日本大震災がきっかけだ。多くのイベント主催者が保険会社と損失補填の範囲を協議し、その後の契約では補償範囲に地震を加える主催者が増えた。16年の熊本地震ではこうした努力の結果、多くの主催者が補償を受けられたという。
訪日外国人客らに長期滞在してもらうには観光や食だけでなく、様々なイベントが欠かせない。地球温暖化に伴う気候変動により、天候リスクが高まるなか、参加者の安全の確保と経済損失を抑えるための対策が今後さらに重要になる。

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