ソーシャルレンディングの問題点とその対処法

ソーシャルレンディングの問題点とその対処法

ソーシャルレンディングは、インターネットを通じて個人投資家から集めた資金を企業などに貸し出して運用し、得られた利息収入を出資額に応じて還元するというスキームになっています。今の時代、預金に預けても利息はほとんど期待できませんが、ソーシャルレンディングであれば、はるかに高い利回りを見込めます。

こうしたことから、ソーシャルレンディングは欧米を中心に急速に普及し、日本でも市民権を獲得しつつありますが、世の中の資産運用に“いいこと尽くめ”のものは存在しません。高いリターンを期待できる裏には相応のリスクが潜んでいるものです。

ソーシャルレンディングに資金を投じるうえで気をつけるべき点や、主な問題点とその対処法を知っておきましょう。

デフォルトリスクと“見かけの利回り”に注意

最初に知っておくべきこととして、ソーシャルレンディングは元利の支払いが約束されている預金とはまったく異なるものという点が挙げられます。

貸出先が経営難に陥るなどして返済が滞ることをデフォルト(貸し倒れ)といいます。ソーシャルレンディングには、このデフォルトリスクが存在しています。デフォルトが発生すると、ソーシャルレンディングを通じて出資した投資家の手元には、投資元本のすべてか、またはその一部が戻ってこないおそれがあります。

加えて、募集時に提示されている利回りと実際に得られるリターンに食い違いが生じるリスクにも留意しなければなりません。提示されている利回りはあくまで表面的なもので、いわば“見かけの利回り”に過ぎません。

ソーシャルレンディングには、出資金の振込手数料や運用期間終了時の出金手数料といったコストがかかるうえに、口座開設手数料や運用手数料を徴収されるケースもあります。こうした負担の分だけ、自ずと実質的な利回りは低下してしまうのです。

運用のタイムラグや早期償還にも注意が必要

ソーシャルレンディングは、出資してから実際に運用がスタートするまでの間にタイムラグが発生するため、その間はリターンが発生しません。当初に定められていた運用期間が終了する前に早期償還(期限前の運用終了)となるケースもあり得ます。期限前に運用が終わるということは、受け取った分配総額が当初に想定していたリターンを下回ることを意味します。

また、いったん出資すると、途中解約は原則不可能(一部事業者を除く)ということも忘れてはいけません。

「元本一括返済」方式のデメリットにも注意しよう

多くのソーシャルレンディングは、リターンの分配と投資元本の償還(返済)において「元本一括返済」という方式を採用しており、「元利均等返済」や「満期一括返済」といったパターンは少数派です。元本一括返済に関しても、メリットだけでなくデメリットもきちんと認識しておいたほうがいいでしょう。

元本一括返済では、ファンドの運用がスタートすると定期的にリターンが分配されていきますが、元本は運用期間が終了した後に一括で返還されます。終了間際まで元本が運用され続けているので、リターンの分配と同時に元本も定期的かつ均等に返済され続けていく「元利均等返済」と比べてより大きなリターンを期待できるわけです。

しかしながら、元本を最後まで返してもらえませんから、相対的にデフォルトに陥るリスクも高くなりますし、その際の損害も大きくなりやすいといえるでしょう。貸出先からの資金回収の遅延を想定して、余裕を持たせた運用期間に設定しているケースが多いことから、実際には早期償還が相次ぎやすい点にも要注意です。前述のとおり、早期償還によって分配総額が想定を下回ることになってしまいます。

リスクをきちんと知っておくことが肝要

ディスクロージャー(情報開示)に関しても、ソーシャルレンディングは一般的な金融商品と比べて不十分だと言わざるをえません。なぜなら、金融商品取引法と貸金業法という2つの法律の間で成り立っているスキームになっており、貸出先に関する情報の秘匿性を重視するという貸金業法の範疇に入っているため、どういったところにどの程度の資金を融資しているのかを投資家側は把握できません。

では、ソーシャルレンディングを巡るこれらの問題点については、具体的にどのように対処すべきなのでしょうか。肝心なのは、そういったリスクが関わってくるものだとまずは理解しておくことです。

万一、デフォルトに陥っても諦めがつく程度に投入資金をとどめておき、関わってくる手数料もしっかりとチェックして実質的な利回りを自分で計算しておくのが無難でしょう。そして、想定利回りについてもアテが外れるリスクがあると割り切っておけば、不用意に落胆しなくてもよさそうです。

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