実は行政もクラウドファンディングを積極活用している!?

実は行政もクラウドファンディングを積極活用している!?

インターネットを通じて出資を募るクラウドファンディングは、「アイデアはあるけれど資金がない」という個人や企業が、夢を実現させるために資金を調達する手段といったイメージが強いかもしれませんが、実はここ4~5年で、地方自治体などの行政も活用を始めています。本稿では、行政によるクラウドファンディングの事例などを紹介していきます。

2011年の地方自治法施行令改正が普及のきっかけ

地方自治体がたくさんの人たちからお金を集めるといえば、まず思い浮かべるのが「ふるさと納税」でしょう。「税」とはいうものの、実際にはお返し(返礼品)付きの寄付です。一方で、行政が盛んに導入するようになったクラウドファンディングは「ふるさと納税」とは異なり、「ふるさと投資」と呼ばれるものです。

そもそも、行政のクラウドファンディングである「ふるさと投資」は、2011年に地方自治法施行令が改正されたことが普及のきっかけとなりました。それによって、自治体の意向に沿って代理を務める第三者が寄附金を集めることが可能となったのです。

くしくも、同じ年の3月11日には東日本大震災が発生し、この大災害からの復興を図るためにクラウドファンディングによる資金集めが活用されました。地方自治法施行令の改正直後だっただけに、行政のクラウドファンディングはまだ本格的な始動には至らなかったものの、やがて次々と具体化していきます。

鎌倉市の「かまくら想い」が3週間で目標額達成

地方自治体初のクラウドファンディングとなったのは、2013年に鎌倉市の観光商工課が企画した「かまくら想い」プロジェクトでした。古都鎌倉を訪れる観光客が迷わず目的地に辿り着くための観光ルート板の新設費用として、100万円の資金をクラウドファンディングによって調達しました。

出資者は観光ルート板に自分の名前が刻まれ、さらに自治体への寄付なので寄付控除を用いた節税も可能となります。100万円を1口1万円に分割して募集を行ったのですが、けっして安くはない金額設定であるだけに実際に集まるかどうかが不安で、当初は2か月間の募集期間を想定していたそうです。ところが、フタを開けてみるとわずか3週間で目標額を達成し、10 本の観光ルート板の予算を調達できました。

一方、自然災害の被災地を支援するためにクラウドファンディングが用いられた一例が広島市豪雨災害・緊急支援プロジェクトです。2014年8月20日、広島県広島市北部で局地的な豪雨によって住宅街背後で土砂崩れが発生し、死者74名、重軽傷者44人という災害が発生しました。そこで、一般財団法人ジャパンギビングの事務局長がクラウドファンディングで487万6,800円の資金を集め、緊急支援活動を展開する NPOや災害ボランティアへの寄付に充てられました。

政府も「ふるさと投資」連絡会議を設立して後押し

ほかにも、再生可能エネルギーを用いた発電所や地元特産の農作物、工芸品など、地域活性化のためのプロジェクトを遂行するために、日本各地でさまざまな「ふるさと投資」が立ち上がっています。政府も普及の促進のため、2014年10月31日付けで「ふるさと投資」連絡会議を設立しています。

「ふるさと投資」は常に自治体が主体となっているわけではなく、地方銀行などの地域密着型金融機関や地元の有志が立案して進められているプロジェクトも少なくありませんが、やはり地方自治体や地域住民と強く連携しているのが大きなポイントです。その点が一般的なクラウドファンディングとの違いともいえるでしょう。

言い換えれば、「ふるさと投資」の場合はたとえ個人が始動したプロジェクトであっても、行政も深く関わっていることから、その分だけ信頼性が高いとも受け止められるでしょう。その一方で、相応のリターンを期待できるケースが多い一般的なクラウドファンディングとは違って、「ふるさと投資」は「投資」とは名がつくものの、極めて寄付に近いもので、地域やその取り組みを応援するのが最大の目的だといえそうです。

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