海外マネー日本国債へ 為替で運用益狙う

海外マネー日本国債へ 為替で運用益狙う

海外投資家が日本国債への投資を膨らませている。2018年度の買越額は17兆8千億円と前年度の約6倍になり、4~6月も買い越し基調が続いた。国内金融機関のドル調達の需要が強く、海外勢は手持ちのドルを円に交換して運用すると上乗せ金利を得られるためだ。外国人の積極投資が足元の長期金利の低下(債券価格は上昇)を招いている面もある。
財務省によると、海外投資家は18年度に償還までの期間が1年超の中長期債を10兆1千億円、1年以下の短期債も7兆7千億円買い越した。買越額はそれぞれ17年度の8.6倍、4倍に膨らんだ。4~6月(週次データで3月31日~6月29日の合算)をみても、短期債は8千億円の売り越しだった半面、中長期債は2兆5千億円の買い越しで高水準の投資が続く。
長期金利の指標である10年物国債の利回りは昨秋以降に低下基調をたどり、6月21日にはマイナス0.195%と2年11カ月ぶりの低い水準をつけた。米欧の利下げ観測で海外の金利が低下するなか、「海外のヘッジファンドなどが調達した円資金を日本国債に振り向けている」(SMBC日興証券の末沢豪謙氏)。
日銀が長期金利をゼロ%程度に誘導する政策を続け、満期が10年より短い国債の金利はマイナス圏で推移している。それでも海外勢が国債を買い進めるのは、為替交換を絡めることで利益を確保できるためだ。
海外勢は通貨スワップ取引を通じて手持ちのドルを円に交換し、それを元手に国債を購入する。一般的にドルの方が円より需要があるため、ドルの出し手が高い上乗せ金利を得られる。日銀の緩和策の継続で金利上昇による損失も生じにくい。
日本の銀行や生命保険会社などは超低金利の国内で一定の利回りを確保するのが難しく、外国債券など海外資産への投資を積極化している。こうして生じるドル調達需要が海外勢の得る上乗せ金利の高止まりを招いている。日銀の超低金利政策で国内勢の投資が海外に、海外勢が日本に向かうという奇妙な構図が生まれている。

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