企業健保が身構える「2022年の崖」

企業健保が身構える「2022年の崖」

健康保険組合連合会(健保連)は大企業の社員らが入る全国約1400の健康保険組合のうち、2022年度に4割超で保険料率が10%以上になるとの試算をまとめた。22日に発表する。団塊の世代が75歳以上になり始めて医療費が膨らむため、「解散予備軍」とされる料率10%以上の健保組合が現状の約2割から倍増する。健保組合は22年の「財政の崖」を乗り越えられるだろうか。
「団塊の世代が後期高齢者入りする前に改革の道筋をつけるべきだ」。19年1月、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で、健保連の佐野雅宏副会長は訴えた。健保組合に加入する会社員らは、高齢者の医療費を賄うため「仕送り」に当たる多額の拠出金を負担している。
19年度は3兆4千億円余りを拠出し、保険料収入の約4割を占めた。後期高齢者医療制度が始まる前の07年度と比べ約1兆1200億円増えた。
「仕送り」の伸びは健保組合の財政を圧迫し、労使で負担する保険料の上昇へと跳ね返る。健保連によると、07年度に7.308%だった平均の保険料率は19年度は9.218%となった。1人当たりの保険料は、年38万3612円から49万5732円に増えた。
21年度にかけて保険料率の引き上げは一服する見通しだが、22年度から団塊の世代が75歳以上になり始めて医療費の伸びが加速すると見込まれるため、その分、健保組合の財政負担も増す。
「22年度に健保財政が崖に直面する」。健保連に焦りが広がる。「2022年危機」と題する試算を新たにまとめ、22年度には高齢者への「仕送り」が4兆円近くに膨らむとはじく。保険料率は平均9.8%まで上がり、10%以上の健保組合は19年度の302から601に倍増する計算だ。
保険料率が10%以上の健保組合は「解散予備軍」とみなされる。中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率が10%のため、企業が独自に健保組合を存続させる利点が乏しくなるからだ。解散して協会けんぽに移れば、協会けんぽに投入されている税金がその分、増えることになる。
健保連は、後期高齢者が医療機関の窓口で払う自己負担分について現状の1割から2割に引き上げるよう求めている。だが高齢者の負担増は政治的なハードルが高く、今夏に参院選を控える現状では、負担の議論さえはばかられる雰囲気だ。対策がみえないまま、時間が刻々と過ぎていく。

ブログトップへ

お役に立てましたら、応援お願い致します!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。