英の日系企業 EU離脱「負の影響」55%

英の日系企業 EU離脱「負の影響」55%

英国に展開する日系企業が欧州連合(EU)離脱の悪影響に身構えている。日本経済新聞社が在英の日系企業にアンケート調査したところ、回答企業の5割強がEU離脱で事業に「負の影響がある」と答えた。離脱後のEUとの通商環境や英経済の先行きの不透明さを警戒する企業が多い。条件合意のない「無秩序離脱」のリスクに9割が懸念を示した。
英国内に事業所や工場などがある主要な日系企業75社に調査票を送り、4割強の31社から回答を得た。回収期間は13~22日で、大半が英政府が離脱協定案を閣議了解した14日より後に集まった。
EU離脱が今後の欧州事業に与える影響は「大きなマイナス」が2社、「ややマイナス」が15社で、計17社(55%)が負の影響があるとした。「影響なし」「分からない・その他」はそれぞれ7社だった。プラス効果を見込む企業はなかった。
悪影響の要因として多かったのが英・EU間の通商条件を巡る不安だ。「オランダから製品を輸入している」という食品会社は、関税や物流面での悪影響がリスクだと答えた。EU離脱に伴う「英経済の低迷」(不動産)など、国内需要の悪化に対する不安も目立つ。
規制や法制度の先行きへの懸念も強い。製品の検査工程などをEU側に移したという医薬品会社は、離脱は「大きなマイナス」と指摘した。金融業界からは「域内の市場・規制の分断」(銀行)、域内で自由に事業を営める単一パスポートの喪失による「EUへの営業の制約」(資産運用会社)を懸念する声が聞かれた。
離脱への備えを聞いたところ、サプライチェーン(調達・供給網)の見直しを実施済み、または予定・検討中とした企業は全体の35%を占めた。EU域内での拠点新設・拡充は26%、事務所・工場などのEUへの移転は13%が、それぞれ実施済みか予定・検討中と答えた。
移行期間がないまま英国がEUの単一市場・関税同盟から切り離される「無秩序離脱」のリスクを聞いたところ、9割弱にあたる27社が「懸念している」と答えた。「あまり懸念していない」は3社にとどまった。英・EUは離脱協定案を暫定合意したが、英議会の承認という難関が控え、移行期間が白紙化する恐れは払拭されていない。
無秩序離脱への緊急対応計画については、13%が策定済み、39%が策定作業中か19年3月までに策定予定とした。複数メーカーが具体策として在庫の積み増しを挙げた。無秩序離脱が決まった時点で検討する社も26%あり、4分の3がEU離脱の行方次第では業務継続に向けた緊急措置を取ることが明らかになった。

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