今週のコロナ相場 円 急伸 103円台への上昇視野
今週(9~13日)の外国為替市場で円相場は1ドル=104円台に急伸して始まり、2016年11月以来の高値となる103円台が視野に入った。欧米などで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、マネー収縮の思惑から対外債権国の通貨である円には上昇圧力がかかりやすいだろう。
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前週末6日のニューヨーク市場で円相場は1ドル=105円30~40銭と、同日の東京市場の17時時点と比べて49銭の円高・ドル安で終えた。米国での新型コロナ感染拡大により、米景気の下振れリスクを意識した円買い・ドル売りが増えた。米長期金利が過去最低を更新し、日米金利差縮小を見込むドル売りも活発だった。
週明け9日のオセアニアの取引時間帯にあたる日本時間5時すぎには円はさらに買われた。電子ブローキングシステム(EBS)によれば一時1ドル=104円14銭近辺と昨年1月上旬以来の円高水準を付けた。イタリア政府は8日に経済都市ミラノを含む北部を広範囲に封鎖する措置に踏み切った。米国でもニューヨーク州知事が7日に州内の新型コロナウイルス感染者が急増したことを受けて非常事態を宣言するなど、ヒトやモノの流れが滞り、経済活動に悪影響が出るとの懸念が広がっている。
こうした状況はすぐには改善しそうにない。足元ではまだ投機的な円買いが優勢で、国内の機関投資家などによる円売り・ドル買いが円の重荷になるだろう。だが事態収拾のメドが立たず、日本マネーも外貨運用からの「撤収」に傾くようだと円高・ドル安基調が強まりそうだ。
原油相場の動向にも注意が必要だ。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国が協調減産で合意できず、17年から続いた協調関係が崩れるとの懸念が深まった。ニューヨーク原油先物は前週末に売りが膨らみ、期近物として一時3年7カ月ぶりの安値を付けた。サウジアラビアは石油増産に転じるとも報じられており、原油安がリスク回避目的の円買いを誘う公算がある。
今週は12日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開かれる。ラガルド総裁が2日、「適切で的確な措置を取る用意がある」との声明を発表したため、市場ではECBが何らかの緩和強化策を決めると想定している。ECBの決断は、「政策余地が限られるという点で共通する来週の日銀の金融政策決定会合を占ううえで参考になりそう」(FX会社の調査担当者)との声が出ていた。
国内では9日に内閣府が19年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値を公表する。中国では10日に2月の中国消費者物価指数(CPI)、米国では11日に2月の米CPIがそれぞれ発表になる。
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