新型コロナ解決への道 ダウ過去最大の上げ幅 協調緩和への期待で優良株に買い
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は8営業日ぶりに急反発し、前週末比1293ドル高の2万6703ドルで終えた。世界の主要中銀による協調金融緩和への期待から主力のハイテク株などに買い戻しが入った。過去最大の上げ幅で、前週末までの7日続落で失った3938ドルの約3分の1をわずか1日で取り戻した。金融緩和への期待が投資家心理に大きく作用するのを改めて見せつけた。
前週末終値を終始上回りながらも方向感が定まらなかった相場の雰囲気が変わったのは午後3時すぎだ。新たな材料はなかったが、投資家のリスク回避姿勢が強まり連日で過去最低を更新していた米長期金利が明確に上昇(債券価格は下落)し始めた時間とほぼ一致する。市場では「長期金利の低下がひとまず一服したのが過度の懸念を和らげ、投資家の心理を上向けた」との指摘があった。
この日堅調だったのは大型ハイテク株だ。ダウ平均が前週に過去最大の下げ幅を記録したことで、値ごろ感の出た銘柄を探す動きが広がった。筆頭は9%上げたアップルだ。オッペンハイマーは「不確実性の高い時にアップルの製品やサービスは競合相手より悪影響を受けにくい」と分析。「株価下落時には買い手になるべきだ」とし、投資判断を「買い」に引き上げた。
UBSが改めて買いを推奨したのは動画配信のネットフリックスやアマゾン・ドット・コムなどを含むインターネット関連株だ。UBSによると、新型コロナの感染拡大以降、あるネットの医療相談サイトの月間利用者は約10倍に増え、ネットでの教育サービスの週間ベースの利用者は倍増したという。在宅の消費者にサービスを提供できるネット関連株は長期的に成長が見込めるものが多いとして、新型コロナへの懸念から売り込まれたこうした銘柄を買い始めることを勧めた。
小売関連株の上げも目立った。米国では前週に感染経路がわからない初の市中感染が確認され、感染者を報告する州が日々増えている。週末のSNS(交流サイト)では、会員制卸売コストコ・ホールセールの混雑ぶりを伝える写真の投稿が相次いだ。新型コロナの感染拡大を警戒した消費者が日用品を買い占める動きが、目先の小売りや消費関連企業の収益を押し上げるとの思惑が強まった。
コストコ株は10%急伸し、ウォルマートも約8%上げた。食品のキャンベルや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など買いだめの対象になりやすい製品を作る企業も軒並み買われた。「株式は取引可能な安値に近づきつつある」との見方が市場で広がっているのを示唆するような値動きだった。
主要7カ国の財務相・中銀総裁は3日にも緊急の電話会議を開いて対応策を協議する見通しだ。会議後に早期の協調策を打ち出すとの思惑も浮上している。世界の株式市場ではひとまず過度な不安が後退したようにみえるが、当局の対応策がさらなる心理改善につながるかどうかは不透明だ。相場がさらに戻りを試すことができるのか――。協調策への市場の関心が高まっている。
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