香港株大引け 反発 中国本土株に連れ高 中国の金融に買い
27日の香港株式相場は反発した。ハンセン指数の終値は前日に比べ82.13ポイント(0.30%)高の2万6778.62だった。中国本土の上海・深圳株が27日は堅調に推移しており、香港市場でも重複上場している銘柄などに買いが波及した。新型コロナウイルスの感染が世界で拡大しているうえ、26日の米株式市場でダウ工業株30種平均が5日続落したことが嫌気されて売りが先行したが、午後に入って上昇に転じた。
ハンセン指数を構成する50銘柄のうち32が上昇し、下落は15、横ばいは3。ハンセン中国本土株指数は0.87%高だった。
中国工商銀行や中国建設銀行、中国人寿保険といった中国本土の金融大手が買われ、相場を押し上げた。不動産管理サービス部門の分離上場を計画していると前日に伝わった中国不動産の華潤置地が高い。アジア保険のAIA、通信の中国移動、中国石油化工(シノペック)が上昇した。
一方、27日に2019年12月期の減益決算を発表した百威亜太控股(バドワイザー・ブリューイング・カンパニーAPAC)やマカオカジノの銀河娯楽集団が売られた。中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)、自動車の吉利汽車控股が下落した。
午後に取引を再開した商業施設の九龍倉置業地産投資は、親会社の会徳豊(ウイーロック)の非公開化に伴う株式交付計画が嫌気され6.2%安だった。会徳豊は39.7%高となった。
香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前日比8%減の1104億香港ドル。中国本土との相互取引で、本土投資家による香港株の売買(南行き)は大幅な買い越しだった。