111円台に急落 節目割れで下げ加速 輸出企業の買い支え
20日の東京外国為替市場で円相場は急落し、前日17時時点で付けていた110円10~12銭よりも1円超安い111円台前半を中心とするレンジで推移しそうだ。強固な下値支持水準とみられていた110円を明確に下抜けたことで、損失確定の円売りや便乗の売りが出やすい。一方で前日の米長期金利が横ばいで終えるなど、さらに円を売る材料は多くない。久しぶりの円安とあって、国内輸出企業の円買い・ドル売り意欲は強いとみられる。
円相場は19日の欧州市場で売りが加速。110円に次ぐ節目となる1月安値の110円30銭を下抜けた。円はこのところ米中関係の改善などを材料にしたリスク選好の局面でも110円台の定着を阻まれてきたため、円安ペースの速さに意表を突かれた参加者は損失覚悟の円売りを急いだもようだ。ニューヨーク市場では111円59銭と、2019年5月以来9カ月ぶりの水準まで下げ、110円30~40銭で終えた。
20日の東京市場でも円売りが持続しそう。市場では当面の円の下値めどとして、昨年の最安値で4月に記録した112円40銭近辺を挙げる声がある。
ただここにきて新たな円売り・ドル買い材料が浮上しているわけではない。19日はダウ工業株30種平均が上昇したものの、米長期金利は横ばい。ドルはユーロや豪ドルなどに対しては動意が薄かった。米経済の底堅さを背景にしたドル高とはいいにくい。投機筋が円をさらに売り込むためのハードルは高いだろう。9カ月ぶり円安を受けた国内輸出企業の円買いもそれなりに増えそうだ。
20日は2月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。18日に発表されたニューヨーク連銀の製造業景気指数に続き市場予想を上回れば、ドル高が再開するかもしれない。
そのほか、1月のオーストラリア(豪)雇用統計が発表になる。前の月からの失業率の悪化などがあれば豪準備銀行(中央銀行)の早期利下げ観測が復活し、豪ドル売りが出そうだ。
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