メガ損保第2世代へ MS&ADは「脱・たすき掛け」
損害保険大手のMS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)が原典之取締役(64、三井住友海上火災保険社長)を社長に昇格させる人事を固めた。
統合で誕生した「3メガ損保」時代の第1世代として経営をけん引してきた柄沢康喜社長(69)は会長に退く。原氏は第2世代として相次ぐ自然災害などの課題に答えを出せるかが問われる。
原氏は三井住友海上の社長を続投し兼務する。あいおいニッセイ同和損害保険の金杉恭三社長(63)も社長を続投しながらMS&ADの副会長に就く方向だ。傘下の保険事業会社トップを2016年から務める原氏が持ち株会社のトップも兼任する体制を整え、変革期にある損保業界で難題にあたる体制を整える。
三井住友海上出身の柄沢氏が会長に就くことで、MS&ADは傘下の主要事業会社2社の出身者で主要ポストを分け合う「たすきがけ」人事をやめることになる。出身母体にこだわらずに適材適所の人材を選び出し、グループの基盤を固める。
原氏は自動車保険部長などとして保険の不払い問題を受けた対応に奔走した実績がある。メガ損保の「第2世代」として、「軸がぶれない」(MS&AD幹部)と社内での定評があることが昇格の決め手となった。
柄沢氏は10年のMS&AD設立から事業会社の社長として経営にあたってきた。現会長の鈴木久仁氏(69)と並ぶいわばHDの「創業者」の一人だ。損保会社が相次ぎ経営統合して3大手で9割のシェアを占める寡占市場となるなかで、国内トップの収入基盤の確立とアジアを中心とした成長性の高い海外事業の拡大に取り組んできた。
同業の東京海上ホールディングス(HD)も長年経営をけん引してきた永野毅氏(67)が19年、会長に退いており、業界では第2世代へのバトンタッチが進む。
損保業界は迅速に業界再編を進め、M&A(合併・買収)を通じた海外の事業基盤も確保してはいる。ただ、近年は災害が多発して収益基盤が揺らぎ、自動運転の普及で主力の自動車保険も将来的には頭打ちが懸念される。原氏らメガ損保の第2世代はこうした課題への対応が問われる。
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