地銀トップは意識改革を 金融庁 業務合理化へ8つの論点
金融庁は地方銀行の事業を持続可能にするため、トップに経営改革の実行を迫る。上場企業に適用されるコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の「地銀版」といえる内容を念頭に、業務の合理化といった8つの論点を7日に示した。複数の地銀によるシステムの共同化や資産運用の高度化も促す。
金融庁は今春にも遠藤俊英長官ら幹部が地銀のトップと個別の対話を始める。対話のテーマとなる主要な論点は意見公募を経て3月末にも正式に決める。地域経済の低迷で収益力の先細りが避けられない地銀が多く、将来の存続可能性を高める道筋を探る。
論点は経営改革に向けた地銀の問題意識を問いただす内容。罰則規定といった措置は設けないが、金融庁と地銀が経営戦略について議論する際の新たな指針となる。
8つの論点のうち柱となるのが頭取ら経営トップの意識改革だ。金融庁は一部の頭取が銀行の課題を認識しながらも、再編やコスト削減といった抜本的な経営改革に手を着けようとしない姿勢を問題視していた。指針は経営者の役割として「課題を先送りすることなく自らの任期中にどう対応するのか」と明記し、現役の頭取に決断を迫る。
経済のデジタル化が進むなかで、経営環境の変化を踏まえ、業務の見直しも促す。店舗網をはじめとするサービス基盤を維持すべきかどうかや、他の地銀とのシステム統合・共同化によるコスト削減策も議論する。
超低金利下の運用難で、資産運用の高度化も論点となる。
過去に購入した高利回りの国債は大量償還が3~4年後に迫る。足元では国債の金利が落ち込んで、単純な再投資では利回りを維持できない。一部の地銀は有価証券の運用について外部の専門組織の助言を受けている。金融庁は外部の専門家との連携を含めた対応を点検する。
かんぽ生命保険の不適切販売など金融機関の不祥事が相次ぐなか、ガバナンスの強化も重視する。社外取締役を迎える地銀は増えたものの十分な監視機能を果たしていないとみて、社外取の役割を明確にするよう求める。このほか地域の利害関係者との対話や経営戦略の策定プロセス、人材育成の手法などを論点に盛り込む。
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