2020年の円相場 市場予想は1ドル=107円 米大統領選が波乱要因
2020年の為替相場は米大統領選など政治的な不確実性を背景に、リスク回避で円高が進むとの見方が市場では強い。
民間銀行や証券10社の20年末の対ドル円相場見通しの平均値は1ドル=107円と、19年末の約108円70銭より2円弱の円高となる見込みだ。19年秋から為替や株式など金融市場は安定を見せたが、引き続きリスクがくすぶる一年になりそうだ。
民間10社のうち6社が円高を予想した。20年末に1ドル=101円を想定するシティグループ証券の高島修氏は半導体市況など世界経済は堅調としながら「政治的な不透明感から円に上昇圧力がかかってもおかしくない」とみる。
米中貿易交渉のほか、英国の欧州連合(EU)離脱後の通商交渉の行方も焦点になる。
103円を予想する三井住友銀行の宇野大介氏は「11月の米大統領選の勝利をめざすトランプ大統領からドル安を促す発言が出てくる」と指摘する。米連邦準備理事会(FRB)への利下げ要求が強まる可能性もある。
一方で、米中交渉の前進などで、世界経済の安定と円安を予想する声もある。岡三証券の見通しは115円。嶋野徹氏は「米国の国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費が堅調に推移し、FRBの利下げは打ち止めになる」という。日本企業が海外でのM&A(合併・買収)などを進めており、実需のドル買い・円売りも円高を抑えるとみる向きもある。
年間の値動きは、1ドル=101~111円と予想するみずほ銀行のように、10円程度の値幅にとどまるとの見方が多い。
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